DX、やっぱり人(それなー σ゚ロ゚)σ)

イノベーション・新技術

ども、Tomonaritです。今日(6月12日)に国際開発学会第22回春季大会がありました。そこでは、Kanotこと狩野さんプレゼンツの「デジタル技術は経済開発をリープフロッグさせうるのか?」というラウンドテーブルがあり、自分も参加させてもらいました。詳細はそのうち狩野さんが投稿するかな?と思うので省略しますが、その中で「デジタル技術の活用やDXって、テクノロジーだけの話じゃないよね」と言う意見がありました。

その意見には自分も120%同意で「それなー σ゚ロ゚)σ」という感じです。このブログでも何度か紹介しているオニオンリングモデルもICT4Dの中心には情報や通信技術があるけども、それを使う人(People)や情報システムを導入する組織(Origanization)のマネジメントや戦略も重要な要素であることが示されています。

その中でも特にデジタル技術の適用が上手く行くのか否かを左右する大きな要因として「やっぱり人」というコメントがあったのですが、ちょうど日経新聞に関連する記事があったので紹介します。

6月11日の日経新聞の「大機小機」というコーナーに「DX、結果と目的を間違うな」という記事がありました。内容はDXの目的ってIT化とは違って、業務の効率化ではなく、組織や業務の変革を伴うものだという話。その中で以下のような「人」に関する記載がありました。

DXが組織や業態の変革を伴うなら、イニシアチブがとれる上級役員や顧客に近い役員が旗振り役を担う必要がある。情報システムの専門家に業務を理解させることではなく、経営陣や執行部がITを学ぶことが重要になる。

(中略)

同時に、ベンダーとの付き合い方も大事だ。丸投げでは失敗を招く。今後の業務のあり方を明確に示し、インプットとアウトプットの情報を特定し、具体的な仕様に落とし込む。事業のあり方や顧客への付加価値を明確に示したうえで、覚悟を持って能動的に発注できるかが問われる。

日経新聞(6月11日)「DX、結果と目的を間違うな」から一部抜粋

これって、国際開発においても同じことが言えるのではないかと感じました。昔からICT4Dプロジェクトを成功に導くにはITと国際開発の両方の領域を理解し、両方の領域の専門家を繋ぐことが出来るハイブリット人材(マンチェスター大学のHeeks教授は「ICT4D Champion」と呼んだりしています)が必要と言われています。こっからは私見ですが、ハイブリットとはいえ、ITか国際開発かのどっちかの領域に軸足をおいてもう一方の領域の専門性もある程度理解するというのが現実的だと思います。で、上記の記事をなぞるなら、「国際開発に軸足をおいている人達がちゃんとITを学ぶことが重要」と言えるかと思いました。

そして、「覚悟を持って能動的に発注できるか」という点も国際開発においても同じだと感じます。今日のラウンドデーブルでも話したのですが、ケニアのM-PESAが成功した一番の成功要因は「気合と根性」だと思っています。成功するまでやり続ける気合いと根性(それに加えてリソース(資金・時間))がなければ、DXもICT4Dも成功しないと思います。

ということで、以上、「やっぱり人」という話でした。ちなみに日経新聞の記事の「DXの目的ってIT化とは違って、業務の効率化ではなく、組織や業務の変革を伴うものだという話」には少し異論があります。IT化だって、(DXほどではないにしても)組織や業務の変革を伴うと考えています。例えば、紙がデジタルに変わる「だけ」なんてことはなく、デジタルになったら業務プロセスも変わることが必然ではないかと思うのです。これはこれで、また別の機会に投稿したいと思います。

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