ICT4Dの基本に立ち返ろう(おまけ)

アカデミック

ども、Tomonaritです。先ほど、ICT4D Lab公開勉強会の最終日が終わりました〜。とても楽しい4回の勉強会でした。詳しいレポートは追って投稿することにしますが、今回は前回投稿した「ICT4Dの基本に立ち返ろう」のオマケとして、もう一つ気づきがあったので書いてみます。

テクノロジーを途上国に導入する際には、「テクノロジーだけじゃなく、いろいろな要素も考慮しないとダメ(システム導入したら完了!じゃあない)」ということが教訓の一つ。このうち後者のことを示すのにRicard Heeks教授のオニオンリングモデルがあります。まずInformationが中心にあり、その外側にTechnologyがあり、その外にInformation Systemがあり、その外にOriganizationがあり、一番外側にEnvironmentがある、という図です。

この図はわかりやすく、私も良く引用させてもらっています(例えば以下)。

今回、「基本に立ち返ろう」と考えた中で、このモデルに少し違和感も感じました。というのは、過去からの教訓の1つには、「Technology-drivenじゃダメ、Supply-drivenじゃダメ、もっと現地の課題ありき、ニーズありきでしょ?」というものもあります。なのに、オニオンリングモデルではInformaiton System(それを構成するInformationとTechnology含む)が中心になっており、まるでテクノロジーを使ったシステム導入が中心にあり、それを成功させるためには、それ以外の要素も考慮するというようにも見えるから。

本来は課題ありきで、その課題を解決するための打ち手はテクノロジー活用の有無に問わず複数あるはずです。そして、その打ち手の中でまずは何が一番有効なのかを考え、その次にその打ち手を実施するためにより効率や効果をあげることがテクノロジーで可能なら、テクノロジーを活用する、というステップであるべきです。

例えば教育環境改善という課題があったら、その課題を中心に据えて、それに対する打ち手(ここではあまり良い案が浮かばなかったので、とりあえず、「人、もの、金、情報」という区分にしてみました)をまず先に決めて、次にテクノロジーの活用要否を考えるという順番。決定した打ち手を実施するために、テクノロジーが強力な効果を出せるなら、テクノロジーを使えば良いということです。

こんな感じの考え方・図の方が「Technology-drivenはダメ」にマッチしている気がしました。今は、No Technology, No Lifeという時代なので、テクノロジーは重要ではあるものの、有効に使う場面を考えるまえに、まずはシンプルに課題解決の打ち手を考えるべきだと思います。その後、テクノロジーを使った方が効果的・効率的なら使えば良いし、逆に効果的・効率的になるテクノロジー活用方法が浮かばないなら、無理に使おうとしない方が良い(←ここ大事)

テクノロジー活用と課題解決。どっちがゴールかと言えば、答えば明確で課題解決であるはず。まずは課題を中心に添えた考え方も「ICT4Dの基本」だよね、と思ったのでした。

ニュースレターはじめました。テクノロジーと国際開発(ICT4D)に関する新規ブログ記事・海外ニュース・イベント情報などを月1〜2回発信しています。以下フォームからご参加ください。詳細はこちら

フォローする
アカデミック
ICT for Development .JP

コメント

  1. Ozaki Yuji より:

    「途上国の貧困層が便益を享受する」の可視化にトライ。

    昔の富士フイルムのCMよろしく、「(端末などを)持っている人は美味しく、持ってない人もそれなりに」というところを目指すと、監視カメラを含む治安改善が思い浮かびます。ただし、下手すりゃ権力による住民監視のディストピア風味のネタなので、リベラルな思想の方々にはウケ悪そう。(その点、Huaweiあたりのトータルソリューションとして踏み込んで売り込むあたりはさすが中国、という感じ。韓国も住民監視ネタは結構実績ありですね。キーテクノロジーでは日本のNECがすごいんですが)。
    と、ここまで書いて、人々が生活するプラットフォームをICTでより安心に、というどっかのSI企業のキャッチフレーズみたいになっちまったことを反省しています(苦笑)。

    その一方で、行政の仕組みがICTの利用でどんどんと良くなり、限られた予算をうまく使って(端末の保持関係なく)住民の生活が微妙に楽になり続ける、という感じで間接的なICTの作用を期待する(トリクルダウン的な)、というなら旧来のスキームですよね。
    ただし、この仕組みの中では、ICTは「旧来の(仕事の)仕組み」を効率面で介護する役割に過ぎず、機器やそれに関わる人までもが単なるコスト(削減が義務付けられてしまう間接費)扱いされてしまい、ICTに関係する人が(機器の納入業者を除いては)全く幸せになれなさそうです。

    発想の方向を変えにゃいかんですね。

    • tomonarit より:

      Ozakiさん
      毎度の事ながら、レスが遅くなってしまいすいません。
      「貧困層が便益を享受」って確かになかなか難しいですよね。トリクルダウン的な説明はありえるけども、なんかしっくり来ないという点は自分も一緒ですね(トリクルダウン狙うくらいなら、貿易のルールを途上国に有利にガラッと変えたらいいじゃないとか思ってしまう)。
      テクノロジーで「貧困層が便益を享受」って、良い例は携帯電話そのも。そしてそこから派生してM-Pesaなど、だと自分は思っています。

タイトルとURLをコピーしました