Twitterを通じてどのリーダーが最も国民と対話しているのかという点について、ルワンダのカガメ大統領が各国リーダーの中でトップであった。IT立国を目指す同国において、リーダーが率先してオンラインプラットフォームを活用している点、国民との距離感を近く保とうという意図などがあると考えられる。
こんにちは、Kanotです。先日、各国リーダーのTwitter上でのCOVID啓発活動についての記事を書きましたが、その続編として、Twitterを通じてどのリーダーが最も国民と対話しているのかという点について書いてみます。
TwiplomacyというHPが「Twiplomacy Study 2020」として、様々なTwitterに関する分析を載せているのですが、その中で今回は、国民に返信をしているリーダーは、ノルウェー、ニュージーランドをおさえ、なんとルワンダのカガメ大統領がトップであったと言うデータを取り上げてみます。やはり嬉しかったのか、ルワンダの新聞であるThe New TImesも本件に関する記事をアップしています。
この調査は、各国のリーダーが、過去3,200ツイートの中で、どれだけをReplyに当てているかについて行った調査で、結果は以下の通りだったそうです。(注:コンゴ民大統領とセルビア首相のツイート数が少ないですが。総ツイート数自体が少ないと思われます。)
- ルワンダ Paul Kagame大統領 2,125ツイート(74%)
- ノルウェー Erna Solberg首相 1,873ツイート(59%)
- コンゴ民主共和国 Felix Tshisekedi大統領 300ツイート(56%)
- ニュージーランド Jasinda Ardern首相 1,786ツイート(56%)
- セルビア Ana Brnabic首相 343ツイート(45%)
ルワンダのカガメ大統領はなんと過去3,200ツイートのうち、74%にのぼる2,125ツイートを国民への返信にあてているとのこと。ルワンダはIT立国を掲げていて、過去このブログでも何度か取り上げており、つい先日の私の論文でも、国の力強いリーダーシップをルワンダの強みとして挙げていますが、まさに大統領がこれを実践しているということになりますね。
ちなみに、カガメ大統領のTwitterはこちらで、約200万人のフォロワーがいます。Twitterの写真も自転車に乗っているもので、親しみやすさを醸し出してますね。優秀な広報官が裏にいるのでしょうか・・。
実は、ルワンダのカガメ大統領がTwitterをやっていて、しかもこれだけ多くの国民の質問に答えていると言うのは、このレポートを見るまでは知らず、正直意外でした。というのも、カガメ大統領は非常に強権であまり逆らえる人がいないという印象だったので、このように国民と直接接点をあえて持つことはしないのではと思っていたからです。
その一方で、思い当たる節もありました。2017年にYouth Connectというアフリカの若者を支援する国際会議が行われた際に、アリババのジャック・マー氏と一緒にカガメ大統領がパネルディスカッションに登壇しました(私も一観客として聞いていました)。その中で若者からの質問に大統領が答えたのですが「これまでで最も大きな失敗はなんでしたか?」という質問に「そんなこと大統領に聞くなよー。答えにくいじゃないか。」とユーモラスに答え、笑いを取っていたのを思い出し、彼自身も圧倒的なリーダーというよりは、国民に親しみをもたれるリーダーを目指しているのかもしれません。
なお、今回は返信数という切り口でしたが、このレポートの中では様々な切り口でランキングが出ているので、興味ある方は「Twiplomacy Study 2020」ご覧になっていただけたらと思います。例えば以下のような切り口です。
- 最もTwitter上で影響力のあるリーダー
- 最もTwitter上で多くの人にリーチしているリーダー
- 最もTwitter上でアクティブなリーダー
次回はTwitterとインドネタを書きたいと思ってます(本当はこれより前にそれを書くつもりだったのですが、先延ばしになってます・・)。
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