ICT4D教科書翻訳プロジェクト【008】出版まであと5日!

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ども、Tomonaritです。このタイトルの「ICT4D教科書翻訳プロジェクト」シリーズもあと少しになってきたなぁと思います。なぜなら、出版まであと5日!だから(3月30日発売予定なのであと4日だけどきりが悪いので今日を入れてあと5日ってことで)。今回は前回の投稿でつらつらと書いていたこの翻訳プロジェクトのストーリーの後編です。

ICT4D Labメンバー「翻訳者総勢14名+数名(翻訳後のレビューなどサポートしてくれたり)」という体制でいったん原書を翻訳した後、創業100年の歴史ある日本評論社さんが関心を示してくださり、「まずは社内でこの企画を通すには?」という新たな一歩を踏み出したのでした。

というのが前回までのお話でした。

そこから日本評論社さんのなかで企画書を通してもらえるよう、改めて本書のアピールポイントやどういった方々が購入してくれるのか(大学、国際開発業界、IT業界など)、購入する層がどれくらいいるのか(何冊売れるのか?)などを改めて検討しました。

基本的にはマンチェスター大学大学院のICT4Dコース(ちょうどコース名がICT4Dから「Digital Development」に変わってしまったのですが(T_T))で使っている教科書なので、同様に日本の大学や大学院で国際開発を学べるコースがある大学・大学院ならニーズがあるだろうと考えました。そして、以下のようなが大学・大学院で学ぶ学生の中にはICT4Dに関心がある層が一定数いるだろうと考えました(なお、以下は完全に我々の個人的なリサーチです)。

【国際開発系の大学で学生が多めのところ】

  • 上智大学 総合グローバル学部
  • 拓殖大学 国際学部 国際協力コース
  • 亜細亜大学 国際関係学部 国際協力コース 横
  • 浜市立大学 国際総合学部 国際都市学系 グローバル協力コース
  • 青山学院大学 地球社会共生学部
  • 大阪女学院大学 国際・英語学部 国際協力コース
  • 立命館大学 国際関係学部 国際関係学科 国際関係学専攻 国際協力開発プログラム
  • 京都外国語大学 外国語学部 グローバルスタディーズ学科 国際協力コース
  • 九州国際大学 現代ビジネス学部 国際社会学科 国際コース
  • 名桜大学 国際学群 国際文化専攻 国際協力コース
  • 大阪大学 人間科学研究科 国際協力学部
  • 文教大学国際学部 国際理解学科

【国際開発系の大学で学生が上記よりは少なめのところ】

  • 広島大学 大学院国際協力研究科
  • 立命館アジア太平洋大学 博士前期国際協力政策(ICP)
  • 東洋英和女学院大学大学院 国際協力研究科
  • 拓殖大学大学院 国際協力学研究科
  • 政策研究大学院大学(GRIPS) 国際協力コース
  • 早稲田大学 大学院アジア太平洋研究科
  • 東京大学 国際開発学専攻 国際大学 国際開発学プログラム(IDP)
  • 名古屋学院大学国際文化学部国際協力学科
  • 広島市立大学 国際学部 公共政策・NPOプログラム

そして、次に情報通信系の大学・大学院でも国際的な取り組みをしているところには、この本に関心を持つ学生がいるだろうと考えました。

【情報通信系の大学・大学院でICT4Dに関心持ってそうなところ】

  • 神戸情報大学院大学
  • 東京大学情報学環・学際情報学府
  • 東京工業大学学術国際情報センター
  • 慶應義塾大学政策・メディア研究科

そしてこういった大学・大学院の他には、国際開発業界(開発コンサル企業や公的機関やNGOなど)の実務者層にも一定のニーズがあると考えました。また、IT業界の人たちのなかにもICT4Dに関心がある層も一定数いるので、そういった人たちにも購入してもらえるのではないかと考えました。いきなり協力隊や留学へ行ける人たちばかりではないので、その一歩手前で「身につけたITの専門知識や経験を活かして国際開発業界にキャリアチェンジしたい!けど、いきなり協力隊とか留学とかは・・・・」と悩んでいる人たちに是非、手にとってもらいたいと個人的には願っています。この本を読むことで、具体的なイメージがわくし、学問」としてのICT4Dってどんなことを勉強するのか?もよく分かると思います。

また、業界的には、国際開発業界は全体のパイが小さいですが、IT業界はパイが大きいので、そのうちの1〜2パーセントの人たちが興味をもっていれば、相当な人数だと考えたわけです。実際、ICT4D Labのメンバー構成を見てみたら、国際開発業界の人たちが多いかと思いきや、IT業界の人たちのほうが多かったのでした。つまり、この本も国際開発業界よりもIT業界にいる人たちが購入数としては多くなる可能性があると考えました。これは、ある意味新しい発見でした。

(2021年11月時点)

こんな感じで(←雑なまとめ方で、スイマセン・・・。本当はもっと細かく購入数の予想値を計算してます)、ある程度の購入見込みを立て、また、日本評論社ご担当Mさんのサポートのおかげで出版社内での企画をとおして頂き、本当に出版が決まったのでした!今思うと、もう昔のような気分です(確か去年の師走ころですが)。

その後の動きは以下の【005】に記載のとおり、Richard Heeks教授を通じて版権をもっている英国の出版社を紹介してもらい、必要な交渉・契約等々があり(ってここはご担当Mさんにお任せでしたが)、他方でLabメンバーとしては翻訳作業・校閲作業に巻きが入りました。

出版ってこんなに大変なのか・・・(-_-;) というのが正直な感想ですが、新しい発見が多くてとても勉強&刺激にもなりました(これは優しく懇切丁寧に指導してくれたご担当Mさんのおかげですが)。

また、コロナの影響もあり&翻訳メンバーのうち複数名が海外在住ということもあり、全ての翻訳・校閲作業をオンラインのみで実施したのは、ある意味、新しい試みだったと思います。最後のほうの校閲作業は、出来れば数名で合宿的にやれたら楽しかったと思うのですが、コロナだし、Kanotはアメリカ在住(当時)だし、ということで最後はゲラとにらめっこする孤独な作業になりましたが、これはこれでいい経験でした。このオンラインのみで対面で会ったことがないメンバー同士がほどんどという特殊なチーム&プロセスで472ページというボリューム翻訳が出来たというのは、ご担当Mさんからもビックリ!と言われました。

そして、とうとうあと5日(ホントは4日)で出版です!Amazonのリンクはこちら

もしかしたらこれを読んで、「おっ!自分たちもやってみようかな。出来るかも?!」と思ってトライしてみるグループが出てきたら、なんか嬉しいです。

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