ICT4D教科書翻訳プロジェクト【002】Chapter1翻訳完了!

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ICT4D Labとして9月下旬に本格開始したICT4Dの教科書を翻訳するというプロジェクトですが、コツコツと進んでいます!Chapter1の翻訳(初稿)が完了したここらで、苦労話を書いてみます。

前回の投稿に書いたように、ICT4Dの教科書「Information Communication Technology for Development」の著者であるRichard Heeks教授と英国出版社の方から、「まずはChapter1を翻訳してみて、それを持ってエージェントに打診してみるのが良い」とのアドバイスを得て、Chapter1の翻訳を開始しました。私(Tomonarit)含むマンチェスター大学ICT4D修士コース卒業生3名+国際開発実務家一人の4名で手分けをしてIntorductinonとChapter1(約40ページ)の翻訳に取り掛かりましたが、以下、悩んだ点です。

「です・ます調」 or 「だ・である調」

まず出てきた疑問は、「です・ます調」 or 「だ・である調」のどっちにするか。大学の講義をもとにしている本だと「スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義」が個人的に好きで、これは「です・ます調」で書かれてました。一方、論文は「だ・である調」が一般的。悩んだ結果、「だ・である調」にすることに。参考にしたのは、「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」。このブログでも紹介したことがある本ですが、「だ・である調」で書かれつつも読者への質問は優しく投げかける口調でもあり、こんな感じを目指すことに。

いくつも日本語訳がある単語

次に出てきた疑問は、いくつも日本語訳があるけど頻発する単語をどう訳すか?という問題。例えば、「Development」は国際協力、国際開発、開発のどれか(しかも、システム開発の意味の「開発」と国際開発の場合の「開発」と両方あるし・・・)?とか、「Process」はプロセス、処理、加工のどれか?とか。Knowlede、Information、Technologyなどカタカタでも良いけど日本語にした方がしっくりくるケースもある・・・という単語も多く悩ましい。そこで英語・日本語の対訳表を作り、いつくかの単語については統一ルールを設け、その他は文脈で判断というようにして進めることに。

英語独特の表現

さらなる疑問は、英語独特の表現。例えば、「Global North」や「Global South」など。developing countryという言葉を避けるために使われる表現だと理解しているのですが、北とか南というと正直、日本人的にはしっくりこない気がします。ここは思い切って「開発途上国」、「先進国」とした方が良いだろうという判断に。同様に、英語の諺的なものもあり訳す時に「むむっ・・・」となりました。例えば、「One man’s meat is another man’s poison.」→ 人によっては肉も毒。という表現があることを今回初めて知りました。そしてこいつには「蓼食う虫も好き好き」という訳を当ててみることに。

どこまで意訳して良いものか?

やろうと思えばいくらでも意訳出来てしまうだけに、これが一番悩まなしい点です。しかも若干皮肉っぽい表現とか、冗談っぽい表現などもちょいちょい入っていて、ある意味それが読者をクスリとさせる面白い部分でもあるのですが、訳すとなると厄介です。この辺り、プロの翻訳者の方々はどうやっているのだろうか?

以上のように(上記意外にも「サイライチェーン」か「サプライ・チェーン」か?とか細かい疑問点も沢山ありつつも)、こんな感じで難航しつつもChapter1の翻訳を完了し、昨日、Heeks先生と英国出版社の方へ送付しました。Heeks先生からはとりあえず「Great」という返信が来たので良かった!(ってか先生、日本語は読めないですが)。この後来るであろう出版社の方からの反応が気になるところです。

最後にどんな感じの訳になっているのかをチラッと見せるとこんな感じです。ICT4Dをアカデミックに勉強した経験があるというレアなメンバーが揃ってはいるものの、翻訳業については素人集団なのでまだまだこれから推敲する点は多々あるのですが、まずはChapter1が翻訳出来たということで、めでたしめでたし!

こんな感じでやってます!

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